2つの競馬場で外厩資格を取得!下河辺トレセンの3つの特徴

下河辺牧場が運営する施設には「下河辺トレーニングセンター」というものがあります。静内、三石、千葉の3か所にありますが、「下河辺トレーニングセンター」と言えば主に千葉の香取市にあるものを指します。

「下河辺トレセン」では1歳馬の育成や現役の競走馬の放牧や治療、休養、トレーニングを中心に行っています。

平成20年には大井競馬場と船橋競馬場の認定厩舎(外厩)の資格を取得しました。「下河辺トレーニングセンター」で仕上げた競走馬を当日輸送でレースに出走させています。

今回はその「下河辺トレセン」について掘り下げて紹介していきたいと思います。どんな施設でどんな特徴があるのかなど興味がある人は是非読んでみてください♪

 

下河辺牧場について

下河辺トレセンを紹介する前にまずは下河辺牧場について解説していきたいと思います。下河辺牧場は北海道沙流郡日高町福満に本場を置く有限会社の競走馬の生産牧場です。現在の代表者は下河辺行雄さんで、馬主としても中央競馬、地方競馬に登録されています。勝負服の柄は白で赤袖となっています。

1933年に初代の代表者「下河辺孫一さん」が千葉の香取郡、今の成田市にて牧場を開場します。その後1966年には北海道の沙流郡門別町、今の日高町にも牧場を開場します。1975年には成田空港の建設に伴い千葉県香取郡栗源町、今の香取市に移転をします。成田空港が近いことから海外からの競走馬なども受け入れやすくなっています。

1991年には生産馬であるナリタハヤブサがJRA賞最優秀ダートホースとなり、その名を轟かせます。他にも主な生産馬として牝馬三冠を果たした「スティルインラブ」や2014年のマイルチャンピオンシップを制覇した「ダノンシャーク」、そして2017年の菊花賞を勝った「奇跡」などがいます。

下河辺トレーニングセンターについて

冒頭でも軽くご紹介しましたが「下河辺トレーニングセンター」について紹介していきたいと思います。1歳馬の馴致育成や現役で活躍している競走馬の「放牧」「治療」「休養」「トレーニング」を中心に行っており、10日前入厩(JRAのレース10日前までの調整)にも対応しています。

当場所有の繁殖牝馬による生産も行っています。産駒はセレクトセールやHBA北海道市場、千葉サラブレッドセールなどに積極的に参加しています。

また平成20年には大井競馬場と船橋競馬場の認定厩舎(外厩)の資格も取得しており、下河辺トレセンで仕上げた競走馬を当日輸送でレースへと出走させることが可能となりました。

9.9haの広大土地を利用し多くの施設があります。

  • ダートコース(850m、幅員10m):1周850mで幅は10mのダートトラックコースになります。馬の調教効果を高めるために平成24年1月に良質な砂をトラック全来に追加しました。よりクッションを効かせることにより馬をもっと鍛えることができるコースへと変貌を遂げました。幅も広く設計されているため併走しても余裕があるコースです。
  • 坂路馬場(300m、幅員7m):全長300mで幅が7mの坂路コースです。ダートコースと併用して使用します。育成する馬にも比較的早い時期から使用することで前進気勢と後駆の強化を図ることができます。
  • 角馬場(外周200m):主に本馬場調教へ入る前の準備運動を行うことができます。八の字痩躯ができるように設計されていますが、このことで左右のバランスをよく体をほぐすことができます。
  • サンシャインパドック60個:休養をする競走馬や著しく成長をしている若い馬には日光浴が大切だと考えています。そのため静かな環境で馬のリラックスさせ、さらい日光浴によって骨の発育も進めることができます。
  • 放牧地5面:定期的に更新・施肥を実施し、良質の青草が育つよう管理しています。当歳馬および1歳馬は昼夜放牧も行います。
  • ウォーキングマシン2基:騎乗前に準備運動のために使われることや、調教後のクーリングダウンにも使われます。中の壁はゴム板で覆われていてケガを防止する作りとなっています。
  • 練習用ゲート:3つのゲートが用意されています。それぞれ異なった幅となっておりゲート試験を合格できるようにゲート訓練を行うことができます。
  • ウォータートレッドミル:競走馬の運動やリハビリに使用する施設です。

主に以上のような施設があります。そこまで大きなトレセンではないものの、地方競馬の外厩にも認定されており注目度は上がって来ています。

外厩について

認定厩舎、今の競馬界では「外厩」と呼ばれる馬の調子を整えるための施設があることをご存知でしょうか?中央競馬でも注目を集めており、「ノーザンファーム天栄」や「ノーザンファームしがらき」に馬を預けると魔法がかかったかのようにレースで実力を出すことができると話題になっています。

基本的にレース前は栗東や美浦のトレセンに馬を入れることがほとんどでしたが、実は栗東や美浦のトレセンは馬にとってはストレスが多くかかる場所でした。レース前の興奮状態の馬が多数いるため、決して居心地が良いとは言えない環境なのです。また各厩舎ごとに預けることができる馬の数も決まっているため、溢れる馬は遠く離れた牧場に放牧することが多くありました。

輸送などでストレスを感じることが多く昔は放牧から復帰した1レース目は実力を出すことが難しいとされ、良い成績を残すことがあまりないと言われていました。そこで外厩の出番がやってきます。

外厩は栗東や美浦のトレセンと牧場の丁度間くらいの施設だと考えて良いと思います。馬にストレスを与えないように、預かる馬の数は少なく設定されています。またしっかりとしたトレーニングを行うことができるため、レース前の競走馬にはうってつけの環境を作り出しています。レース会場に近いことが多く、輸送時のストレスもなるべく減らしているため昔のように放牧後の馬は切りと言った常識がなくなりました。

下河辺トレーニングセンターの3つの特徴

下河辺トレーニングセンターの施設などはご紹介しましたが、他のトレセンとは違う特徴を3つに分けて解説していきたいと思います。

下河辺トレーニングセンターの特徴その1:認定厩舎(外厩)の資格を取得

下河辺トレーニングセンターは平成20年、2008年に南関東競馬にて認定厩舎(外厩)の資格を取得しました。現在は船橋・松代眞厩舎および川崎・山崎裕也厩舎に所属しており、認定厩舎の指定を受けた牧場からは競走馬を直接レースに出走させることができるようになっています。中央競馬だけではなく地方競馬でも外厩の注目度は上がっているため、下河辺トレセンを利用する競走馬は増加しています。
当牧場にて調教・追い切りを実施し、レース当日に競馬場へ輸送でき当牧場スタッフが装鞍からパドック、ゲートインまで担当します。レース後は、その日のうちに牧場へと戻ります。

過去3年間の下河辺トレセン外厩に預けた馬の成績がコチラです

  • 2016年:「1着・11回」「2着・5回」「3着・1回」「着外・33回」「勝率22.0%」「連対率・32.0%」「3着内率・34.0%」
  • 2017年:「1着・6回」「2着・7回」「3着・9回」「着外・41回」「勝率9.5%」「連対率・20.6%」「3着内率・34.9%」
  • 2018年:「1着・10回」「2着・11回」「3着・4回」「着外・29回」「勝率18.5%」「連対率・38.9%」「3着内率・46.3%」

となっています。2017年では成績を落としてしまいますが、2018年では2016年を上回る良い結果を残しています。

下河辺トレーニングセンターの特徴その2:ウォータートレッドミルを所有

ウォータートレッドミル(アエロホース)は、プール内でトレッドミル(ベルトコンベア状の運動器具)による運動ができる設備です。遊泳プールと異なり、馬は肩まで水に浸かり、浮力によって体重が40%程軽減された状態で、しっかりとした接地トレーニングが可能です。足元に負担をかける事なく、屈腱炎および骨折休養明けの、騎乗する前段階でのリハビリに効果的です。またスパ・ジェットを装備しており、水の抵抗も相まってマッサージ効果も期待できます。

下河辺トレーニングセンターの特徴その3:着地免疫

海外セールなどで馬を購買し日本に輸入する際は、到着した日本の空港の近くにて11日間の隔離検疫を行い、その後別の場所にて3ヵ月間の着地検疫が義務付けられています。下河辺トレーニングセンターは成田国際空港から車で30分弱という好立地にあり、長距離輸送・隔離検疫を終えた馬をストレスなく輸送して来ることが可能です。3ヵ月間の着地検疫期間中も当牧場にて育成およびトレーニングを続行でき、スムーズな入厩を可能にしています。

2014年、アメリカBarrettsのMarch Select Sale(2歳トレーニングセール)で落札・輸入後、当牧場で着地検疫を行ったルックスザットキル(4歳 牡 鹿毛)は、優駿スプリント(大井 OP 1200m)を含む重賞3勝を挙げ、現在種牡馬として活躍中です。

まとめ

今回の記事では下河辺トレーニングセンターについてご紹介させていただきました。3つの特徴を紹介しましたが、中でも認定厩舎になったことが大きな特徴だと思います。恐らく今後の競馬で外厩の注目度はもっと上がっていくと思われます。中央競馬だけではなく地方競馬でも外厩からレースに出場している競走馬は軽視することはできないと思います。

様々な施設があり、馬のトレーニングに適しているだけではなく、環境が良い事も売りの一つですね。周りに余計なものが無いためとても静かな環境を実現しています。

また地方のトレーニングセンターでは、競馬ファンでも気軽に調教風景などを見ることができます。地方だろうと中央競馬だろうとサラブレッドはとても立派で見応えがあると思います。興味がある人は是非訪れてみてください♪