競走馬を管理、調教するトレーニングセンター、通称トレセンと言う場所があります。中央競馬に登録されている馬は「栗東」か「美浦」どちらかのトレセンに所属する必要があります。地方競馬の場合はまた違うトレセンがありますが、大きなトレセンとなるとこの2つが代表的なものになります。
2つのトレセンでは常時約2000頭ずつ馬が管理されており、かなり巨大な施設になっています。中で働いている人の数もかなり多く、騎手や調教師など様々な仕事があります。競馬ファンだけではなくても馬好きな人なら一度は馬と共に働ける場所を探したこともあるのではないでしょうか?毎日好きな馬と一緒に過ごしてそれが仕事になれば転職ですよね?
今回はトレセンの中でも「栗東」に絞って求人についてご紹介していきたいと思います。基本的に雑務以外では資格が必要になるので、簡単に働くことはできません。しかしそれでもどうしても働きたいという人に必要な条件を3つにまとめてご説明しているので、是非最後まで読んでみてください♪
栗東トレセンについて
まず最初に栗東トレセンの基本情報をご紹介します。栗東トレセンは滋賀県にある栗東市にあるトレーニングセンターです。甲子園球場40個分となる約150万平方メートルの広大な敷地です。敷地の中には6つのコースと坂路コースから成り立っています。その場のコンディションに合わせたコースで調教が行われます。
- Aコース:芝1450メートル(障害専用)障害の数は6つで内側にはダートとポリトラック、外側が芝になっています
- Bコース:ダート1600m 天候により馬場状態が大きく変化します。凍結の恐れがある時もハロー掛け実施することで使用することが可能になります。
- Cコース:ウッドチップ1800m ウッドチップ馬場で材料はアカマツとスギが使用されています。クッション性、排水性に優れており転向による変化が少ないのが特徴です。また馬の足にも優しい馬場の作りになっています。
- Dコース:芝1950m 手入れが行き届いた綺麗な芝が広がっています。
- Dコース:ニューポリトラック2038m 芝と同じくDコースです。これは内側が芝、外側がニューポリトラックと分かれているためこのように表記されています。
- Eコース:ダート2200m このコースでは発送試験が行われています。
- 坂路コース:1085m 坂路コースの敷材はウッドチップを使用しており、現在最も利用頭数の多いコースです(多い日は1日1,000頭以上が利用します)。坂路の調教タイムはICチップを用いて計測しており、調教参考タイムとしてマスコミ等に発表しています。
- 競走馬のスイミングプール:水深3メートル、幅3メートル、1周50メートル、水温26℃
主なコースは以上になります。その他にも厩舎や診療所など多くの施設があります。また施設内には住居スペースもあり、約500世帯2000名が暮らすことが可能となっています。
イベント・施設の見学について
栗東トレセンではイベント・施設見学を行うことができ3つのコースが用意されています。施設内を見学でき、名馬にも会えるコースが用意されています。
最初は「G1調教見学ツアー」です。G1に出場する馬たちの調教を見学することができるツアーになります。G1がないと開催されないので限定ですが、もし参加することができればサラブレットたちの走りを競馬場よりも間近で見ることができます。定員が18名で朝の集合もかなり早いので、しっかりとルールを守って応募してみましょう!
2つ目は「トレセン見学ツアー」です。普段はご覧いただけない調教コース等の見学を通じて、競走馬の前線基地であるトレセンの雰囲気を体感することができます。開催される頻度はかなり少ないのでタイミングが合わないとなかなか参加できないかもしれないですね。応募は簡単で定員も25名となっているので、まずは応募してみましょう!
3つ目は「ジョッキーと行こう!夏休み親子体験ツアー2019」です。ジョッキーと一緒に夏の思い出が作れるツアーとなっています。年に1度しかないスペシャルなイベントです。普段競走馬たちが走っている坂路の馬場を実際に走ったりすることができるので、とても良い思いでになります。ぜひ子供さんと一緒に参加してみてはいかがですか?
栗東トレセンで働く人々について
膨大な敷地の施設なので働いている人の数もかなり多いのが特徴です。常時約1400人のスタッフが働いてます。その内訳をご紹介します。本格的に栗東トレセンで働きたいならここを目指すことになると思います。
- 騎手:約70名 騎手はレース当日に騎乗するだけではなく、依頼を受けて日々馬の調教の時も騎乗します。また厩舎に所属してその厩舎を中心に活動する騎手と、厩舎にな所属しない「フリー」の騎手が存在します。
- 調教師:約100名 調教師は馬主からお願いされ競走馬を預かり、調教メニューや出場するレースなども決めます。もちろん馬主の人とも相談しますが、メニューなども決めるのでとても重要な役割を担っています。
- 調教助手:約950名 調教助手は、調教師からの支持を受けて騎乗調教をします。また、調教師の代理として事務的な手続きを行うこともあります。
- 厩務員:約250名 厩務員は調教師の指示を受けて担当馬の飼育管理、運動や手入れに馬房の清掃などの厩舎での作業を担っています。調教には騎乗しない厩務員と、調教に騎乗することができる「調教厩務員」がいます。
また調教時間は栗東トレセンでは夏は午前5時から9時まで、春・秋は午前6時から10時まで、冬は午前7時から11時までに調教をします。これは美浦とは少し異なります。寒さに弱い競走馬に合わせた時間設定となっています。
資格が必要な仕事を3つ紹介します
今紹介した4つの仕事は全て資格が必要になります。馬のことを熟知した人じゃないと仕事に就くことはできません。中には馬が練習するコースを清掃する仕事などが資格の必要がありません。しかし、それだけでは満足できないという方は資格を取ることを目指して頑張りましょう!より馬と深い係の仕事をするのは簡単なことではありませんね。
資格が必要な仕事①:厩務員
基本的にはJRAが管理している競馬学校を卒業し資格を取ってから厩務員になることができます。他にも資格が取れる学校がいくつかありますが、一般的にはJRAの競馬学校がメインになります。資格としては中学を卒業している者、またはそれと同等の学力を有するもの。さらに大きな条件としては「競走馬・育成馬・乗馬の騎乗経験が1年以上であって、単独騎乗による3種の歩法(常速、速歩、駈歩)ができる者」というものです。学校に入るためにあらかじめ騎乗の経験が必要になります。この騎乗をするための学校もあり、馬と仕事をする大変さが分かると思います。
試験に合格する人も多くはないのである程度の覚悟が必要になります。もし興味がある人は詳しい条件などを調べてみてみてください。厩務員とは言え馬のウォーミングアップを行ったりする大事な仕事が沢山あります。競走馬の中には1頭数億円の価値を持っている馬も多く、扱う人はかなり重要になります。そのため仕事に就くための資格もかなり厳しいのです。
資格が必要な仕事②:調教師
調教師になるために必要な資格は、中央競馬の調教師になるためのJRAと地方競馬の調教師になるためのNARの2つがあります。2つとも28歳以上という受験資格があり、すぐになれるような仕事ではありません。詳しい合格率は分かりませんが、かなり難易度が高い試験になるようです。基本的な流れとしてはJRAの競馬学校を卒業し厩務員になる⇒実績を積み調教助手になる。身近で調教師の仕事を見て学びながら28歳を超えたら調教師の資格を取るために受験し続ける。この流れになると思います。
①で紹介した厩務員も最終的にはこの調教師になりと思っている人が多く、目指すべき高い壁になります。実際に厩務員の資格は必要ないですが、身近で勉強してない人がいきなり合格できるような試験ではないと言われています。なので調教師になる一番の近道は厩務員になることだと思います。
資格が必要な仕事③:騎手
最後の資格が必要な仕事は「騎手」です。やはり競馬の中でも花形の仕事になりますね。騎手として活躍するのも難しいですが、騎手になることももっとも難しいのです。さらに言えば騎手の学校を卒業することも難しいですし、資格を取るための学校に入ることもかなり難しいです。
学校に入るための条件がいくつかあるのでご紹介します。
- 募集:年に1度で定員は10名程度
- 体重:生まれた年にもよりますが、多くても48kg以下
- 視力:裸眼で左右で0.8以上
- その他:他にもたくさんの条件があります
逆に厩務員と違い騎乗経験がなくても応募することができます。現に今ジョッキーとして活躍している松岡正海騎手や丸山元気騎手は学校に入るまで経験がなかったそうです。競馬学校は約3年間あり、その後騎手免許試験に合格しようやくプロの騎手になることができます。
まとめ
栗東のトレセンで働きたいと思ってもなかなか求人がないのが現状ですね。馬の世話や掃除などは全て厩務員の仕事ですし、それ以外となるとやはりコースの整備などになると思います。
競馬や馬が好きという人は馬に関わった仕事がしたいと思う人も多いと思います。今回紹介した仕事はトレセンでの仕事になりますが、他にも競馬場もあります。競馬場と言ってもやはり多くの仕事があります。飲食店の店員さんもそうですし、チケット売り場、観客席の清掃などもあります。また馬を生産する牧場でも仕事がありますね。牧場は資格がいらないものも多いので、ほんとに今すぐに馬にかかる仕事をしたいなら、牧場に問い合わせてみるのも良いかもしれません。
トレセンだけではなく馬関係の仕事は資格が必要なものが多いので、就きたいと思っても簡単ではないと思いますが気持ちが大事だと思うので、是非挑戦してみてください♪
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